「パールの巻きって何?」
「花珠って?」
パールの巻きや花珠(はなだま)。
さらには、パールのてりという言葉がどういう意味なのか解説します。
なんとなく、パールの業界用語という感じです。
それでは早速、
- 「巻き」は「核の周りの膜」
- パールの「巻き」は「炭酸カルシウム」
- パールが「花珠」と呼ばれる条件
といった話題です。
パールの「巻き」とは「膜(まく)」
パールの巻きとは膜(まく)の事です。
詳しくは・・・。
「巻き」は「核の周りの膜」
まずパールには、核と呼ばれる部分があります。
核は、その言葉通りパールの中心部分にあります。
実は、美しい光沢をもつパールの中心には、貝の破片があります。
それが、核と呼ばれているのです。
その核の周りに、薄い膜がたくさん重なり、丸いパールになっていくのです。
そんな風に膜が重なっている様子が巻きと表現されるのです。
美しい巻きのパールといえば、膜がきれいに重なったパールという意味なのです。
パールの「巻き」は「炭酸カルシウム」
巻きをつくる膜は、炭酸カルシウムでできています。
炭酸カルシウムが何百、何千という幾重にも重なり合っているのです。
それはまるで、シャボン玉のように輝く色彩を持っています。
そのシャボン玉の膜たちが、お互いに干渉し合って、美しい光沢を生み出します。
シャボン玉の膜が生み出す、美しいパールの色合いは、てりと表現されています。
パールネックレス売り場の店員さんが、この「てり」という言葉を使います。
てりが美しく出来るかどうかは、パール表面のデコボコが影響します。
光の反射でできるてりですので、表面のデコボコが少ないほど美しく輝くんですね。
ここでお話したてりは、次の章の花珠(はなだま)をつくる条件の1つになっていました。
パールが「花珠」と呼ばれる条件
「花珠って、なに?」
パールを売っているお店に行くと、店員さんが「花珠(はなだま)」という言葉を使います。
この花珠とは、とても綺麗なパールに与えられる称号です。
最高ランクのパールという感じです。
「花珠」パールの条件
花珠と呼ばれるパールの条件を見てみましょう。
まず、上でお話したてりが良いこと。
さらに、キズがほとんど無いという条件もあります。
パール(真珠)は貝の中で作られますね。
アコヤ貝などの貝です。
生き物の貝は、動き回ります。
動き回る貝のなかで出来るパールですので当然、自然のキズが付いていきます。
そのキズが多いと、低いランクの下珠・すそ珠と呼ばれるパールとして扱われます。
逆に、キズが少ないものは高いランクとして扱われ、上珠と呼ばれます。
そしてキズが少ないが更に、キズがほとんど無いになると花珠という最高ランクに。
他の「花珠」パールの条件
花珠の条件は、他にもあります。
美しいピンク色
厚い「巻き」
まん丸
とても厳しい審査基準です。
キズには例外があります。
小さな小さな針でつついたような傷です。
このキズには愛称があって、真珠のエクボと、呼ばれています。
パールの「本物」と「模造品」
この真珠のエクボも含め、表面のキズこそパールの本物の証と、言われています。
模造品のパールには、傷はありません。
この差を使って、パールの真贋の見分け方があります。
それは、パールどうしを擦り(こすり)合わせるというやり方です。
すると、パールが模造品の場合は滑らか。
プラスチック系のツルツルした感じです。
これが本物の場合は・・・。
こすり合わせた時に引っ掛かりがあるんですね。
貝が長い時間をかけて育んだ、自然のぬくもりが伝わってきます。
おわりに
パールの養殖法を開発したのは日本の人物です。
御木本幸吉さんが、1896年に特許を出願しています。
パールのてりは、寒い時期に一番よく出てきます。
そのため、養殖パールの収穫は、寒い12~1月に行われるのです。