「パールの巻きって何?」
「花珠って?」
パールの巻きや花珠(はなだま)。
さらには、パールのてりという言葉がどういう意味なのか解説します。
なんとなく、パールの業界用語という感じです。
それでは早速、
- 「巻き」は「核の周りの膜」
- パールの「巻き」は「炭酸カルシウム」
- パールが「花珠」と呼ばれる条件
といった話題です。
パールの「巻き」とは「膜(まく)」
パールの巻きとは膜(まく)の事です。
詳しくは・・・。
「巻き」は「核の周りの膜」
まずパールには、核と呼ばれる部分があります。
核は、その言葉通りパールの中心部分にあります。
実は、美しい光沢をもつパールの中心には、貝の破片があります。
それが、核と呼ばれているのです。
その核の周りに、薄い膜がたくさん重なり、丸いパールになっていくのです。
そんな風に膜が重なっている様子が巻きと表現されるのです。
美しい巻きのパールといえば、膜がきれいに重なったパールという意味なのです。
![](https://lets-go-adventure.com/wp-content/uploads/2019/05/785094-compressor.jpg)
パールの「巻き」は「炭酸カルシウム」
巻きをつくる膜は、炭酸カルシウムでできています。
炭酸カルシウムが何百、何千という幾重にも重なり合っているのです。
それはまるで、シャボン玉のように輝く色彩を持っています。
そのシャボン玉の膜たちが、お互いに干渉し合って、美しい光沢を生み出します。
シャボン玉の膜が生み出す、美しいパールの色合いは、てりと表現されています。
パールネックレス売り場の店員さんが、この「てり」という言葉を使います。
てりが美しく出来るかどうかは、パール表面のデコボコが影響します。
光の反射でできるてりですので、表面のデコボコが少ないほど美しく輝くんですね。
ここでお話したてりは、次の章の花珠(はなだま)をつくる条件の1つになっていました。
パールが「花珠」と呼ばれる条件
「花珠って、なに?」
パールを売っているお店に行くと、店員さんが「花珠(はなだま)」という言葉を使います。
この花珠とは、とても綺麗なパールに与えられる称号です。
最高ランクのパールという感じです。
「花珠」パールの条件
花珠と呼ばれるパールの条件を見てみましょう。
まず、上でお話したてりが良いこと。
さらに、キズがほとんど無いという条件もあります。
パール(真珠)は貝の中で作られますね。
アコヤ貝などの貝です。
生き物の貝は、動き回ります。
動き回る貝のなかで出来るパールですので当然、自然のキズが付いていきます。
そのキズが多いと、低いランクの下珠・すそ珠と呼ばれるパールとして扱われます。
逆に、キズが少ないものは高いランクとして扱われ、上珠と呼ばれます。
そしてキズが少ないが更に、キズがほとんど無いになると花珠という最高ランクに。
![](https://lets-go-adventure.com/wp-content/uploads/2019/05/080389-compressor.jpg)
他の「花珠」パールの条件
花珠の条件は、他にもあります。
美しいピンク色
厚い「巻き」
まん丸
とても厳しい審査基準です。
キズには例外があります。
小さな小さな針でつついたような傷です。
このキズには愛称があって、真珠のエクボと、呼ばれています。
パールの「本物」と「模造品」
この真珠のエクボも含め、表面のキズこそパールの本物の証と、言われています。
模造品のパールには、傷はありません。
この差を使って、パールの真贋の見分け方があります。
それは、パールどうしを擦り(こすり)合わせるというやり方です。
すると、パールが模造品の場合は滑らか。
プラスチック系のツルツルした感じです。
これが本物の場合は・・・。
こすり合わせた時に引っ掛かりがあるんですね。
貝が長い時間をかけて育んだ、自然のぬくもりが伝わってきます。
おわりに
パールの養殖法を開発したのは日本の人物です。
御木本幸吉さんが、1896年に特許を出願しています。
パールのてりは、寒い時期に一番よく出てきます。
そのため、養殖パールの収穫は、寒い12~1月に行われるのです。