「木星の表面に、なんか丸い渦(うず)があるよね?」
木星を観測すると、縞(しま)模様が見えますね。
その縞模様は、すべて雲。
そのなかに、大きな赤茶色の渦が見えます。
この渦、大きな大きな台風なんです。
大赤斑(だいせきはん)と呼ばれるこの台風・・・。
なんと、地球が2個も入る巨大さです。
ここでは、そんな大赤斑を
- 木星の大赤斑!風速は新幹線以上です
- 大赤斑を作る!それは木星の縞(しま)模様
- 大赤斑の渦はタラコの色!?
という話題で紹介していきたいと思います。
さっそく見ていきましょう。
まずは、大赤斑の風速対新幹線のスピードです。
木星の大赤斑!風速は新幹線以上です
巨大な台風である木星の大赤斑。
風速が凄まじい事になっていました。
木星の大赤斑!風速はどれくらい?
まず、大赤斑の風速です。
それはなんと、秒速150m以上!
私たちが暮らす日本では、秒速約17m以上で台風と呼ばれます。
その台風と比較しても物凄い嵐です。
大赤斑の風速vs新幹線のスピード
秒速150mの大赤斑の風速を時速で計算すると・・・。
時速540㎞です。
新幹線は、頑張っても300㎞程ですね。
2倍には届きませんが、木星の大赤斑は強烈な台風です。
木星にも、地球と同じ雷雲もあります。
ところが、その威力がやはり桁(けた)外れ!
地球の雷雲の数千倍にも達する、というのです。
巨大惑星である木星。
凄いですね。
大赤斑が無くなってしまう!?
大赤斑は、1694年に発見されました。
発見者はイギリスの科学者、ロバートフックです。
それから350年以上の間、大赤斑は木星の表面に存在し続けています。
そして、
「大赤斑は、この先1万年以上は存在し続けるだろう」
ということが定説でした。
ところがです。
「あれ・・・?」
「大赤斑、小さくなってない!?」
大赤斑は最近、少しずつ小さくなっているんですね。
定説は揺らぎはじめ、大赤斑が無くなる可能性が囁かれています。
あとどれ位の間、大赤斑は木星にあるのでしょうか。
大赤斑を作る!それは木星の縞模様
木星の写真を見ると、横の縞模様がありますね。
あの縞模様は、東西方向に伸びています。
そのシマシマどうしは、互い違いに西向きの風と東向きの風に吹かれて流れる雲なんですよ。
大赤斑は、その風によって作られていたのです。
大赤斑と東西の風
大赤斑は、木星の東向きの風と西向きの風が接する場所に発生した巨大な渦巻きです。
大赤斑の下側(南側)の風は東に(→)向かって吹いています。
そして上側では、逆に西に(←)向かって風が吹いています。
そんなふうに、上下の風に挟まれている大赤斑。
南北には動かず、東西に動きます。
大赤斑と台風の回転
大赤斑は、反時計回り(左回り)に回転します。
この回転方向は、台風と同じです。
それは、大赤斑の下が右方向(→)に、上が左方向(←)への風、という事からイメージできます。
木星には、大赤斑だけではなくミニサイズの赤斑も出現します。
白い渦巻きが合体してミニ赤斑ができる事がある、のだとか。
大赤斑の渦巻きはタラコの色!?
「大赤斑って、どうして赤いの?」
木星の渦巻きには、白い台風もあります。
ですが大赤斑と呼ばれる台風には、名前の通り、赤っぽい色がついています。
じつは、この赤っぽい色はたらこやいくらと同じだ、という説があるんですよ。
大赤斑はタラコの色!?
大赤斑は、木星の大気を上空まで高く吹き飛ばしています。
その大気には、タラコやいくらに含まれるリンという物質が含まれているんです。
上空に吹き飛ばされて、太陽にさらされたリンは化学変化を起こします。
その結果、リンはタラコのように赤色に変色する、という説があるのです。
そのため、大赤斑は上空が赤いという事なんですね。
大赤斑は台風なのに高気圧!
地球の台風は低気圧ですね。
ところが、木星の大赤斑は高気圧なんですよ。
少し、不思議な気がします。